優しく残忍な人。
私の目からは涙がこぼれた。

口数は少なくて

あまり一緒に過ごす機会は

なかったけれど

山南さんは優しく、

大好きな方の一人だった。

もっと一緒にお話したかった。

「お墓、行きますか?」

総司さんは悲しそうに仰った。

まだ会いに行く勇気はない。

「まだ行く勇気がないです。

だから····だからいつか、

一緒に行ってくれますか? 」

総司さんは静かに言った。

「私もです。」

山南さん、

受け入れれる日が来るまで

少しの間待っていてください。
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