優しく残忍な人。
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あれから数日後、

斉藤さんはまたいらしてくれた。

「どうされたのですか?」

お菓子を頼まず、

私の前に立っている斉藤さんに

私は質問した。

「少しいいか?」

そう言って連れていかれたのは

壬生寺だった。

嫌な気持ちは全くなかった。

だってここには

いい思い出だってあるから。

総司さんと恋仲になって、

そして終わりを迎えた場所。
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