優しく残忍な人。
「前に言ったでしょ?

私は平助さんの事を守りたいの。」

ゆきちゃんの目には

揺らぐことの無い覚悟があった。

「ちょっとまってて。」

私は急いで部屋へ戻り

斉藤さんから頂いたお守りを握った。

そしてゆきちゃんに差し出した。

「これは?」

「斉藤さんから頂いたお守り。」

ゆきちゃんは拒んだ。

「貰えないよ。

斉藤さんから頂いた大切なものでしょう?」
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