優しく残忍な人。
総司はいつも俺に話しかけた。

「斎藤さん!

お疲れ様です!

今日は誰と試合を?」

よく喋る男だと私は思った。

「永倉と·····」

「そうなんですね!

なら僕は審判をしましょう。」

試合をしたいわけでもなく、

ただ私に話しかけるだけ。

そんな総司に少し違和感を覚えた。

「はじめっ!」

総司は審判をしている間も

笑っていた。
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