優しく残忍な人。
何となく、

総司の隣に座った。

「珍しいですね。

斎藤さんから寄ってくるなんて。」

何かを察知した総司は

静かにそう言った。

「言いたいことがあれば聞こう。」

そう言うと総司は呟いた。

「·····す。」

よく聞こえず俺は聞き返した。

「立ち去った方がいいです·····。」

総司の引きつった笑顔を

見る余裕はなく、

私達は囲まれた。
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