優しく残忍な人。
下を見て歩いていると

前から声がした。

「お千代さん?」

そこには隊を引き連れた

総司さんがいた。

「総司さん·····」

「先に戻れ」

そこには穏やかな笑顔の

総司さんではなく、

‘組長’としての

総司さんが立っていた。

私は不謹慎にも

素敵と思ってしまった。
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