愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「うーん、やっぱり。可愛いなぁ……おかしい」
「おかしいって何よ」
「まぁいいや。春香お風呂先に入って。僕もう眠い……ふあぁ」
ユキは大きなあくびをすると、私の頰から手を離し、ソファーに深く座った。
このまま放っておいたら寝落ちしそうだな。早くお風呂入ってユキにバトンタッチしなきゃ。
それにしても、肩の荷が降りたように心が軽くなった。
もう一人で傷付かなくていいって、思ってもない一言だった。
「ユキ」
「ん?」
「……ほんとにありがとう」
「どういたしまして」
脱衣所に入るタイミングで、少し離れた距離からお礼をいえば、ユキはどこか嬉しそうに片手を上げた。
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