愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「いやっ!」
「落ち着いてってば! 言ったでしょ? 何にもしないって!!」
「……そっ、そんなわけっ」
「本当に平気だから、とにかく落ち着いて」
「~~……っ」
私の手を握る手に力を込め、青年は優しい声色で私に話し掛ける。
私はそれを聞き、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
「ほ、本当に……?」
「はぁ……嘘なんてつくわけないでしょ」
暴れるのをやめた私を見て、青年は深く息を吐く。そして話を続けた。
「僕が求めてるのは、お姉さんの体温」
「……たいおん?」
「僕、誰かの体温がないと熟睡できないんだ。だから毎日こうして添い寝相手を探してる。……野良猫とでも思ってくれていいよ」
「……えっと」
「だから今日だって、本当はあの駅の側で用事があって済ませた後、あの辺に住んでる添い寝相手のところにいくはずだったんだ」
「……ちょっと……言ってることが、よく……」
「まぁ、とにかくお姉さんを襲う気はないってこと」
私の手を掴んでいた手を離し、ベッドの上で向かい合うように足を伸ばし、座り直す青年。