愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



 野良猫……? 誰かの体温がないと寝られない? 
 突然わけの分からないことを聞かされ目が回る。
 

 でも、この人は本当に純粋に、添い寝をするだけのために私を買ったってこと? 
 だとしたら、私は単純に助けられている。


 最悪だ私。勝手にパニックを起こして叩いて大騒ぎして、申し訳ないことをしてしまった。



「……すみません、叩いたりして」
「ん?別にいいよ。僕も急にベッドに引き込んだりして驚かせちゃったし」
「あと……今更なんですけど」
「なに?」
「私、田場川春香(たばがわはるか)って言います。……あなたは?」
「えっ…………ふふっ……ははっ」



 ここにきてやっと自己紹介をする私に、青年は目を丸くしたあと、肩を震わせ笑い出す。
 整った顔をくしゃりと歪ませ笑うその姿はとても幼く見えた……というよりも……この人まさか。


 青年は、ひとしきり笑い終えたあと、目尻の涙を拭いながら話し出す。



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