愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「……ん」
アラームが鳴るより早く目を覚ましてしまった。
窓の外はまだ薄暗く、スマホの画面を覗くと時刻は5時。まだ余裕で寝ていてもいい時間だ。だけど、そんな気にはなれない。
私をがっちり抱きしめ、すやすやと深い眠りにつくユキの顔を眺める。
起きていると大人っぽいのに、こうしていると年相応で可愛い。色素の薄いまつげを指先で撫でると、ユキは眉をしかめた。
「……はぁ」
なんで生まれてきたのかなんて、普通は抱かない疑問を抱かせたユキの母親が許せない。
黙って悲しみを受け入れようとするユキのことも、放っておけるわけがない。