愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「(未成年とホテルになんか入って……下手したら私、犯罪者じゃない)」
「お姉さん」
「(これは、本当にもうここを出ないと……)」
「……春香?」
「帰るわよ!」
どさくさに紛れて私の名を呼んだユキの手を引き、ベッドから立ち上がらせる。
「ちょっと!帰るって!……外、あの調子だともう積もってると思うよ?無理だよ」
「そういう問題じゃないでしょ!こんな所にこんな時間までいて……親御さんが心配してるわよ!家まで私が何としてでも送り届けるから!」
「そんなことしなくていいから……それにお金ないんでしょ?」
「歩いてコンビニまで行くの!ほら、コート着て……」
私の馬鹿……。
知らなかったとはいえ、こんな時間まで高校生を連れ出して。とにかくコンビニまで歩いて電話借りて、タクシー呼んで、この子だけでも家に返さなきゃ。