愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



 最初の方にお酌を済ませ、上座を見て見ぬ振りしながら端の席でさくらと二人、おつまみを摘む。



「今日の解散何時だろうね。二次会ないといいけど」
「店長にかかってるわね」



 普段は人の良さが顔に出ている店長も今日は目の奥が笑っていない。
 上司にハイペースでビールをお酌し、嫌味を聞き流し、潰そうとしている。


 先輩達も楽しそうに雑談しながらも、意識は上座に向けている。
 そう、全ては店長にかかっている。上司はふらふらになりながら、トイレと呟き座敷から出て行ってしまった。



「(……っていうか、もう22時近い)」



 ユキに連絡しないと。
 来るなって強めに言ったけど、あの子多分連絡しないと強硬手段とってきそうだし。



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