愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「あったかい……幸せ……」
「そ、そんなに?」
「うん。春香は特にあったかく感じる」
ユキがあまりにも嬉しそうに言うから、少し恥ずかしくなる。
私冷え性だし、そんなに体温が高くないんだけどな……。逆に、ユキの方が温かく感じる。
ボーッと考えていると、ユキが私に問いかける。
「春香は、誰かと一緒に暮らしてるの?」
「ううん、実家はもう何年も前に出て、一人よ」
「……一人ってさ、不安にならない?」
その質問で、一瞬で現実に引き戻される。
めんどくさい性格のせいで周りから煙たがられ、自分なりに大切にしていた恋人にも振られ……不安かと聞かれたら、思わず頷いてしまいそうになる。
でも、大丈夫。私なら平気。もう振り切った。
「不安なんてない。私はこれからも、一人で生きていける」