愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「……あ」
「……」
「……春香、誰?」
その人物は私の目の前で立ち止まり、驚いたように目を開く。ユキは不思議そうに声を上げた。
「……秀人、まだこっちに居たんだ」
まさか、こんなアーケード街で再会するとは思っても見なかった。
それは秀人も同じだったらしく、珍しく感情を露わにし、驚いたような表情をしている。
秀人の手にぶら下がっている袋の中で、缶同士が軽くぶつかり合う音が響く。
買い物? コンビニに行けばいいのに、なんでこんなところで?
疑問が表情に出ていたらしく、秀人が口を開く。