愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「……彼が、お前を変えたのか」
静かに発されたその言葉は、明らかにユキに向けられたものだった。
きっと今の言葉で、私と秀人の関係に気が付いてしまう。
別に後ろめたいことはないのに、ユキに知られたくない。
この前、駅で会ったときに私の変わりように驚いていたのは知っていたけど、まさかここで口に出すなんて。
それに、変わったわけではない、自分を隠していただけだと説明したはずなのに。
今更、秀人は何がしたいんだろう。
私達の関係はとうの昔に彼から終わらせたはずだ。
秀人の問いに、ユキは答えることはなかった。その代わりにユキは私の手を引く。