愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
まるで、自分に言い聞かせるようだった私の答えを、ユキは黙って聞いていた。
「……春香はすごいね」
「……そんなことない」
「僕は、きっとずっと、これからも……そんなことは言えない」
寂しくて、凍えてしまいそうな、そんな声。
「誰かと寄り添って生きていきたい……諦めきれないんだ」
思わず、私を抱きしめるユキの背に腕を回す。
この子は諦めてないんだ。私みたいに、投げやりになってない。だからきっと、出会えるはず。
寄り添って生きていける、誰かに。
いきなりくっつき出した私を見て、ユキは嬉しそうに喉を鳴らして笑ったあと、柔らかく私の髪を撫でる。
気持ちが良くて意識がどんどん落ちていく寸前、ユキの声が聞こえた。