愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



 ユキの胸を力一杯叩き、そのまま一歩下がって壁に背を預ける。
 部屋のフローリングがギシリと悲鳴をあげた。



「分かってるくせに、私の気持ちも、全部っ……」
「っ」
「それでも、あなたを手放さなきゃならない時がきたら、私は……!」



 ユキは私の激しく取り乱した様子を見て、何かを言いたげに口を開き、奥歯を噛み締めた。


 もし私の気持ちを打ち明けて、結ばれてしまったとする。
 だけど、家族と和解してユキが出て行った後は?



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