愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
外にはユキと同じ年代の女の子達もたくさんいる。楽しいこともたくさんある。幸せなことも。
今のユキは、私と過ごす時間だけが全てだ。だから私に恋をするのも無理はない。
だけどいつかここを出て行って、その感情が一時的な物だったと気が付いてしまったら? 私だけ、取り残されてしまったら?
────きっと、耐えられない。
「……もう、これ以上は……許して……苦しいのっ」
「春香、僕は────」
「っ、触らないで!!」
柔らかな肌を打ち付ける乾いた音がその場に響いた。
ハッとする。伸びてきたユキの手を思い切り払ってしまった。