愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
あなたがすき。
立ちあがった私とベンチに座る秀人を、キラキラと光るイルミネーションが照らし続ける。
自分の意思で、世間体よりも『自分』を取った。ユキの気持ちを受け入れたいという素直な一歩目を踏み出した私を、秀人はどこか寂しそうな目で見つめる。
そして全てを見透かすように目を細め、口を開く。
「きっと、後悔するぞ」
「しない」
「彼は子供で、お前は大人だ」
「分かってる。言われなくても、自分でもおかしくなる程考えた」
「……それでも、そっちを選ぶのか」
「……うん、そう決めたから」
秀人の問いは、私のこれからを案じているように感じた。