愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「家に帰った後も心配で、何度も電話掛けたんだから」
「ありがとう」
「春香はしっかりしてて、あんまり頼ってくれないからな~」
「そんなことないわよ。さくらのことは頼りにしてます」
定食を食べ終え、顔の前で両手を合わせる。
そんな私を見てさくらはパスタを食べるのをやめ、不服そうに頰を膨らませた。
「そんなこと言って、彼氏と別れたのだって教えてくれたの最近じゃん」
「それはそれよ」
さくらの大きな目で見つめられると、自分が悪いことをしているような気がしてくる。
だってあの時はショックが大きすぎて、しばらくご飯も喉を通らなかったし、第一振られた理由が猫をかぶっていたからなんて恥ずかしくて言えなかった。