愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「……春香が、好きだよ」
頭の上から降ってきた優しい声がきっかけで、我慢していた涙がジワジワとユキのコートに染みていく。
雪の降る無人の駅前は、まるで私達だけの世界のようだった。
ずっと一緒にいたい、受け入れるしかないのに、私の心は寂しさに飲まれていく。
その姿は、少し前までの大人ぶった私ではなく、たった一人の恋をする少女のようだった。
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