愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「ごめんなさい、ユキ」
「…………」
「ずっと、一人にして……自分ばかりが傷ついているふりして、逃げてて……」
「……お母さん」
「謝っても、許してもらえないかもしれない……でも、それでもっ」
こうやって感情のままに泣くお母さんを見るのは、お父さんが死んでしまって以来だった。
震えながら身体を丸めるこの人が、こんなに小さかったことを今初めて知った。
思わず伸ばした手が、お母さんの肩に触れそうになり引っ込める。
長い期間を掛け、僕達の間にできた溝はとても深い。今更どうやって触れて、慰めていいのかが分からなかった。