愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
とてつもない不安が心を支配していく。
そんな私の気持ちを読んだのか、ユキは私の手を両手でぎゅうっと強く握った。そして、私と視線を合わせ、目尻を下げる。
「……あーー、でもすごく不安」
「……不安?」
「僕が大人になるまで、本当に待っててくれる? いない間に恋人とか作られてたら、さすがに凹んじゃうなぁ……」
「ゆ、ユキだって……学校で告白とかされて、同級生の彼女とか作っちゃうんじゃないのっ?」
「……何言ってるの?」
私の上擦った声を聞き、ユキは眉根を寄せ、ムッとした表情をした。
「僕は17年間生きてきて、初恋が春香なんだよ」
「あっ、痛いっ!」
一瞬でユキが私との距離を詰める。
驚く私を他所に長い指で私の前髪を梳いて、思い切りデコピンした。