愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
僕の秘密、教えてあげるよ。
────その日は、寒い寒い冬の日々から一変した、暖かく柔らかな日差しを感じる朝だった。
カーテンの隙間から溢れる朝日で、私は夢から目覚めた。
いつもよりも部屋の温度も高い気がする。
私の腰に腕を巻きつけ、すうすうと眠るユキを起こさないよう、二人分の体温で温まった布団から抜け出した。
暖かいとはいってもまだまだ冬だ。
エアコンの暖房ボタンを押し、設定温度をいつもより低めに調整する。
テレビを点けるとニュースのお天気キャスターが、今日は一足早い春めいた一日だと説明していた。
「……そっか」
部屋の隅にあるボストンバッグに視線を移し、私は小さく独り言を言う。