愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「……着替えてくる」



 私の肩を掴み、いとも簡単に引き剥がすと、ユキは脱衣所に消えていってしまった。


 私はその場にペタリと座り込み、さっきまでの自分を思い出して肩で息をする。



「ユキ、ユキ……」



 切なくてどうしようもない感情が襲ってくる。
 震える声で、さっきまで私を抱きしめていた彼の名を呼ぶ。



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