愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
鼻先がユキの胸に当たって痛い。
だけど、そんなこと気にする余裕がないくらい、隙間を埋めるように私もユキの身体を抱きしめた。
離れたくない、ずっと寄り添っていてほしい。
この子が欲しい。泣き縋ってしまいたい。
……ダメ、ワガママは言えない。
しばらくそうしていると、静まり返った玄関に、ユキの声が響いた。
「春香」
「……ん」
「最後に僕の秘密、教えてあげるよ」
秘密? 思わず顔を上げる。
するとユキは、愛おしいものを見るような目で私を見下ろしていた。