愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



「(こんなに寒い日に、あの子は寝床を見つけられたのかな)」



 そんな心配をしていると、顔に冷たい雫が落ちた。空を見上げると、はらはらと雪が降り始めている。



「……きっと、ユキなら平気よね」



 あの子はキレイな顔をしているし、いい子だから、きっと誰かと今頃温め合っているはず。
 勝手に自己完結し、折りたたみ傘をカバンから出して広げようとした、その時だった。



< 31 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop