愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
そこには、スーツ姿のすっかり大人びた、猫のようなエメラルドグリーンの瞳の青年が立っていた。
彼はあの頃と変わらない幼い表情で幸せそうに微笑み、両腕を広げた。
「迎えにきたよ」
返事の代わりに戸惑いなくその胸に飛び込むと、もう離さないと言わんばかりの力で抱き止められる。
交わらないと何度も諦めかけた平行線が、今やっと交わった。
言葉もなく見つめ合い、自然と二人の距離が近付く。
そして会えなかった時間を埋めるように頰を優しく撫でられ、唇が重ねられた。
『愛しのキャットボーイ』おわり