愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「ユキくん、今日の夜暇だったりする? もし良ければ」
「あ、すみません先輩。取引先から連絡が」
「あ、え、じゃあせめて連絡先」
「仕事用のスマホで良いのなら。けど仕事中以外は電源切ってるのでどうかな」
「え?」
「それじゃあ、失礼します」
はい、出ました。
今日も颯爽と宝石スマイルで女子からのお誘いをスルーしている。今日は受付のマドンナ、昨日は総務のあざとい系新人。
しかも何故かその恒例行事がトイレの前で行われていた為、それを察知した私は無駄に時間を掛け化粧直しをしなければならなかった。
スルーされたマドンナさんは、肩を落としそのままトイレへ入ってくる。
さて、私もそろそろ戻らなければ。
「ねぇ」
しかしマドンナさんが私の行手を阻んだ為、私は立ち止まる。