愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
……私は嘘をついた。本当は彼の連絡先を知っている。
一応何かあった時用に彼の私用のスマホの連絡先は新入社員の時から取ってある。連絡取ったことないけど。
でも、知っていると言ったら教えるまで離してもらえなさそうだし、妙なやっかみも受そうだ。
よって、知らないふりをするのが賢明な判断。私悪くない。
そろそろこの役回りをやめたいけど、いつまで経っても同期は同期。諦めるしかない。
「はぁーーーー………ひゃっ!」
廊下を深いため息をつきながら歩いていると、急にうなじに冷たいものがピタリとくっ付いた。
驚き振り返ると、そこには私の悩みの根源が居た。