愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「それを理由に断っても、根掘り葉掘り聞かれてあろうことが彼女にマウント取ってきたりするんだよね。高校大学って、僕それがすごく不快で」
「……そうなんだ」
「彼女は、僕にとって代わりなんて居ない、かけがえの無い存在なのにさ」
驚いた。
彼は見た目も良いし、色気も兼ね備えていて同年代以上に大人っぽい。
なのに、彼女の話をするときは、こんなにも年相応な恋する表情をするんだ。
「彼女さんのこと、すごく大切なんだね」
「うん。世界で一番大切で、愛してるんだ。僕に全てをくれた人だから」
「お、お熱いですね……」
「そう? こんなのまだまだ序ノ口だよ」
その顔を見つめていると、今度はにっこりとキレイに微笑まれた。
「……けどまぁ、もうそろそろ君に苦労を掛けることもなくなるから。あと少しだけ待ってて」
「え?」
「それじゃあ、いつも僕の連絡先死守してくれてありがとう。君が同期でよかった」
彼はひらりと手を振り、廊下の角を曲がっていってしまった。
きっとこれから営業に行くんだろう。
「もうそろそろって、一体なに……?」
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