愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



「ちょっと、私後ろから見ていたんですけど。あの人に後ろからぶつかって怪我させておいて、何もないんですか?」
「はぁ? 少し当たっただけで大袈裟に倒れて、あの女の不注意だろ?」
「だから、私見てたって言いましたよね? 少し当たったレベルじゃありませんでしたよ。彼女、道路に飛び出しててもおかしくありませんでした。謝ってください」
「……テメェ、女のくせによく喋るなぁ……!!」
「性別は関係ないでしょ。早く謝りなさい」
「このっ! クソ女!」
「あっ!」



 サラリーマンは女の人から正論で詰められ、酔った勢いなのか女の人を突き飛ばした。


 女の人が突き飛ばされた勢いのまま、後ろに倒れそうになる。


 私も支えようと手を伸ばすが、膝の痛みで間に合わない。
 もうダメだと思った時に、間一髪誰かが彼女を支えた。



「────春香に何してるの」



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