愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




 そして一ヶ月後、突然彼は朝礼で結婚報告をした。
 女性社員は阿鼻叫喚の嵐。その日の社内はお通夜のようだった。


 後々彼から聞いた話、入社して三年経ったらプロポーズすると決めていた為、私にもうそろそろと言ったらしい。
 奥さんは年上らしく、彼は社内で私にだけデロデロに惚気てくる。


 薬指にリングを嵌め、幸せそうに微笑む彼を見て、これまでの苦労は奥さんに免じて水に流してやろうと決めた。


 だって、あんなにいい人と結婚するんだもの。
 今後誰にも付け入る隙もないし、私ももしこれから彼のことで周りに何を聞かれようと、答える言葉は決めている。



「無理ですよ。彼奥さんのこと、世界で一番大切で、愛してるので」





『結婚おめでとう。お幸せに!』おわり
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