愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「…………あの子、未成年なのにっ」



 自分の中の正義感に火がつく。さっきまでしぼんでいた気持ちはどこかに飛んでいた。駆け足でそのビルに向かい、ユキの手首を掴む。



「……春香?」



 名を呼ばれる。覚えていたんだと驚くのと同時に、喜びがじわっと胸に広がる。
 そのまま、私はユキの手を引き駆け出した。



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