愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜



「確かに、私は一人でも生きていけるって言ったわよ」
「……」
「でも、あなたが言った……誰かと寄り添って生きたいって言葉が……どうしても頭から離れなかった」



 そうよ。正義感が妙に強くて、しかも強がりな可愛くない性格のせいで煙たがられて。自分を変えようとして、女らしく偽ればそれも見破られ捨てられて。
 私は誰とも寄り添えない、そう思って諦めてた。
 傷付くくらいなら、一人でいい。そう思ってたのよ。


 ……だけど、どうしても。




「ユキのことが、どうしても忘れられなかったの」
「……わすれられない?」
「それに……心配でたまらなかった」



 誰かと寄り添うことを諦めきれない、それは本当の私の心の声だったのかもしれない。   
 裏返しなんかじゃない、素直な気持ち。


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