消えた未来
「どうせ失うのに今さら関りを広げてもとか、お互いに悲しくなるだけだとか思ってたけど、この世に存在する命は平等になくなるんだから、そんなこと考えてなにもしないほうがバカだよな」
病気でなくなることが平等かと言われると微妙だけど、事故でなくなることだってある。
いつまでもあるものじゃないのは、確かだ。
前に叔父さんに似たようなことを言われたような気がするけど、やっぱり自分で気付かないと、変われないんだと思った。
「だから俺、織部さんの言う『思い出作り』に付き合ってみようと思う」
自分で話しながら、この結論に至ったことに驚いた。
弁当を食べてるときは、楽しそうだなくらいにしか思っていなかったのに。
ここまで話が広がるとは予想していなかった。
すると、蘭子がくすくすと笑った。
そう笑われると、自分が恥ずかしいことを言ったみたいに思えて仕方ない。
「なにがおかしいんだよ」
「侑生が楽しそうだなって思って。いいんじゃない? 思い出作り」
織部さんがそう言ってきたって知ったときは不機嫌そうにしていたのに、手のひら返しが上手い。
しかし俺は、蘭子のその言い方が気に入らなかった。
「バカにしてるだろ」
「まさか。侑生が嫌な思いをしないなら、全然いいよ」
病気でなくなることが平等かと言われると微妙だけど、事故でなくなることだってある。
いつまでもあるものじゃないのは、確かだ。
前に叔父さんに似たようなことを言われたような気がするけど、やっぱり自分で気付かないと、変われないんだと思った。
「だから俺、織部さんの言う『思い出作り』に付き合ってみようと思う」
自分で話しながら、この結論に至ったことに驚いた。
弁当を食べてるときは、楽しそうだなくらいにしか思っていなかったのに。
ここまで話が広がるとは予想していなかった。
すると、蘭子がくすくすと笑った。
そう笑われると、自分が恥ずかしいことを言ったみたいに思えて仕方ない。
「なにがおかしいんだよ」
「侑生が楽しそうだなって思って。いいんじゃない? 思い出作り」
織部さんがそう言ってきたって知ったときは不機嫌そうにしていたのに、手のひら返しが上手い。
しかし俺は、蘭子のその言い方が気に入らなかった。
「バカにしてるだろ」
「まさか。侑生が嫌な思いをしないなら、全然いいよ」