消えた未来
寝れば忘れると思っていたのに、もっと嫌なことを思い出したし、全然忘れられていないし。
踏んだり蹴ったりだ。
「今日、学校休もうかな……」
そう思ったけど、休んだときのお母さんたちの反応を考えると、恐ろしくてできそうになかった。
いつもより少し早いけど、私は学校に行く支度を始める。
洗面所に行って鏡を見て、顔色の悪さに気付いてしまった。やっぱり休むべきだという考えが頭をよぎるけど、できそうにもなかった。
歯を磨いて、顔を洗うと、食卓に向かう。
お母さんはご飯の準備をしていて、お父さんはコーヒーを前に新聞を読んでいる。
「おはよう、ございます」
もはや、恐怖に支配されていると言っても過言ではないのではと、自分の声を聞いて改めて思う。
そもそも、家族に挨拶をするのに、敬語になっている時点で妙なんだ。でも、わかったところで気軽に挨拶できる雰囲気ではないから、結局敬語になるんだと思う。
そして悲しいことに、私の挨拶に、挨拶が返ってくることは滅多にない。
私が挨拶をしなかったら怒るくせに、自分たちがしないのはいいらしい。
理不尽だとは思うけど、こういうことは言わないほうがいい。それくらいの学習はしている。
「いただきます」
それからお母さんが用意してくれた朝食を取り終えると、部屋に戻って制服に着替える。
そういえば、顔色のこと触れてくれなかったな。
踏んだり蹴ったりだ。
「今日、学校休もうかな……」
そう思ったけど、休んだときのお母さんたちの反応を考えると、恐ろしくてできそうになかった。
いつもより少し早いけど、私は学校に行く支度を始める。
洗面所に行って鏡を見て、顔色の悪さに気付いてしまった。やっぱり休むべきだという考えが頭をよぎるけど、できそうにもなかった。
歯を磨いて、顔を洗うと、食卓に向かう。
お母さんはご飯の準備をしていて、お父さんはコーヒーを前に新聞を読んでいる。
「おはよう、ございます」
もはや、恐怖に支配されていると言っても過言ではないのではと、自分の声を聞いて改めて思う。
そもそも、家族に挨拶をするのに、敬語になっている時点で妙なんだ。でも、わかったところで気軽に挨拶できる雰囲気ではないから、結局敬語になるんだと思う。
そして悲しいことに、私の挨拶に、挨拶が返ってくることは滅多にない。
私が挨拶をしなかったら怒るくせに、自分たちがしないのはいいらしい。
理不尽だとは思うけど、こういうことは言わないほうがいい。それくらいの学習はしている。
「いただきます」
それからお母さんが用意してくれた朝食を取り終えると、部屋に戻って制服に着替える。
そういえば、顔色のこと触れてくれなかったな。