消えた未来
翌日、昼休みの時間に合わせて、皇先生の運転で学校に向かった。
「お母さん、大反対してたな」
先生は苦笑しながら言った。
「あとで謝らないとなあ」
出かける直前になって母さんが来たのは、想定外だった。
「……ごめん」
俺のせいで、先生を悪者にしてしまった感じがして、罪悪感が拭えなかった。
「バカ。そこは『ありがとう』だろ」
「先生にお礼を言うのはちょっと」
「なんだそれ」
互いに冗談を言って笑っているうちに、学校に着いた。
先生との約束通り、目立つ髪は帽子で隠して、生徒と会わないように、校舎裏を通って保健室に行った。
「……本当、侑生はバカだよね」
事情を説明していたからか、蘭子は顔を合わせて一番に暴言を吐いた。
でも、言葉とは裏腹に、泣きそうになっている。
「蘭子、織部さんを呼んできてほしい」
わかっているだろうと思いながらも、改めて言うと、蘭子は不服そうにした。
「……織部さんのこと、嫌いになりそう」
「なんでだよ」
「侑生に無理させるから」
だとしても、それをはっきり言うのはどうかと思う。
「織部さんが無理させるんじゃなくて、俺が勝手に無理してるんだよ」
蘭子は納得いっていないようだったけど、それ以上はなにも言ってこなかった。
「お母さん、大反対してたな」
先生は苦笑しながら言った。
「あとで謝らないとなあ」
出かける直前になって母さんが来たのは、想定外だった。
「……ごめん」
俺のせいで、先生を悪者にしてしまった感じがして、罪悪感が拭えなかった。
「バカ。そこは『ありがとう』だろ」
「先生にお礼を言うのはちょっと」
「なんだそれ」
互いに冗談を言って笑っているうちに、学校に着いた。
先生との約束通り、目立つ髪は帽子で隠して、生徒と会わないように、校舎裏を通って保健室に行った。
「……本当、侑生はバカだよね」
事情を説明していたからか、蘭子は顔を合わせて一番に暴言を吐いた。
でも、言葉とは裏腹に、泣きそうになっている。
「蘭子、織部さんを呼んできてほしい」
わかっているだろうと思いながらも、改めて言うと、蘭子は不服そうにした。
「……織部さんのこと、嫌いになりそう」
「なんでだよ」
「侑生に無理させるから」
だとしても、それをはっきり言うのはどうかと思う。
「織部さんが無理させるんじゃなくて、俺が勝手に無理してるんだよ」
蘭子は納得いっていないようだったけど、それ以上はなにも言ってこなかった。