消えた未来
第十四話
焦る気持ちを抑えながら、廊下を歩く。
急ぎたい気持ちと、病院の中だから走ってはいけないという理性が戦っているのがわかる。
「真央?」
すると、誰かに名前を呼ばれた。
声がしたほうを見て、私は少し安心した。
「お姉ちゃん、どうしよう。久我君が」
恐らく仕事中だろうけど、お姉ちゃんのもとに駆け寄り、助けを求める。
「真央、落ち着いて。なにがあったの?」
お姉ちゃんに言われて、深呼吸をする。
ちゃんと伝えないといけないことだとわかっているから、しっかりと心を落ち着かせる。
「久我君と話してたら、久我君、急に体調が悪くなったみたいで……とりあえず車椅子を持ってきてほしいって言われたんだけど、私、どこにあるかわからなくて」
「まさか、一人にしたの?」
お姉ちゃんの声は怒っているようだった。
「ご、ごめんなさい」
どうして気付かなかったんだろう。
体調を崩した久我君を一人にするのは、賢明な判断じゃなかった。
「とにかく、案内してくれる?」
頷いた首の動きは硬かった。
さっきよりも気持ち早めに、久我君のところに戻る。
久我君は、ソファに座ったままだ。
「車椅子じゃなくて、姉を連れてきたのか」
そう言って笑っているところを見ると、とても体調が悪い人には思えない。
急ぎたい気持ちと、病院の中だから走ってはいけないという理性が戦っているのがわかる。
「真央?」
すると、誰かに名前を呼ばれた。
声がしたほうを見て、私は少し安心した。
「お姉ちゃん、どうしよう。久我君が」
恐らく仕事中だろうけど、お姉ちゃんのもとに駆け寄り、助けを求める。
「真央、落ち着いて。なにがあったの?」
お姉ちゃんに言われて、深呼吸をする。
ちゃんと伝えないといけないことだとわかっているから、しっかりと心を落ち着かせる。
「久我君と話してたら、久我君、急に体調が悪くなったみたいで……とりあえず車椅子を持ってきてほしいって言われたんだけど、私、どこにあるかわからなくて」
「まさか、一人にしたの?」
お姉ちゃんの声は怒っているようだった。
「ご、ごめんなさい」
どうして気付かなかったんだろう。
体調を崩した久我君を一人にするのは、賢明な判断じゃなかった。
「とにかく、案内してくれる?」
頷いた首の動きは硬かった。
さっきよりも気持ち早めに、久我君のところに戻る。
久我君は、ソファに座ったままだ。
「車椅子じゃなくて、姉を連れてきたのか」
そう言って笑っているところを見ると、とても体調が悪い人には思えない。