消えた未来
第四話
久我君と話せるようになっても、私の家での扱われ方は変わらなかった。
そこを変える勇気がなかった。
そもそも、ちゃんと私を見て、私だって頑張ってる、なんて子供みたいなこと、言えるわけがなかった。
それが変わらないから、なんて言い訳かもしれないけど、私がやりたいことは、まだ見つかってなかった。
久我君と話して、どれだけ時間が経っただろう。
多分、一週間くらい。
その程度の期間でここ数年のことを変えられるなら、誰も苦労はしていないというやつだ。
もともと、お父さんもお母さんも、あんなに厳しい人ではなかった。
『真央はそのままでいい』
そんな優しい言葉をかけてくれるような人たちだった。
変わったのは、お姉ちゃんが家を出てからだ。
あの家の子供が私だけになってから、私の不出来さに気付いてしまったのだと思う。
……自分で言って悲しくなるから、これ以上は辞めておこう。
「朝から重たい空気を振り撒かれたら、こっちまでテンション下がるんだけど」
教室でため息をついていたら、登校してきたばかりの久我君に言われた。
やめてほしいと言われて、やめられたらどれだけ楽だろう。
「久我君にはない? 嫌なことを思い出して、落ち込んでしまう、みたいな」
そこを変える勇気がなかった。
そもそも、ちゃんと私を見て、私だって頑張ってる、なんて子供みたいなこと、言えるわけがなかった。
それが変わらないから、なんて言い訳かもしれないけど、私がやりたいことは、まだ見つかってなかった。
久我君と話して、どれだけ時間が経っただろう。
多分、一週間くらい。
その程度の期間でここ数年のことを変えられるなら、誰も苦労はしていないというやつだ。
もともと、お父さんもお母さんも、あんなに厳しい人ではなかった。
『真央はそのままでいい』
そんな優しい言葉をかけてくれるような人たちだった。
変わったのは、お姉ちゃんが家を出てからだ。
あの家の子供が私だけになってから、私の不出来さに気付いてしまったのだと思う。
……自分で言って悲しくなるから、これ以上は辞めておこう。
「朝から重たい空気を振り撒かれたら、こっちまでテンション下がるんだけど」
教室でため息をついていたら、登校してきたばかりの久我君に言われた。
やめてほしいと言われて、やめられたらどれだけ楽だろう。
「久我君にはない? 嫌なことを思い出して、落ち込んでしまう、みたいな」