酔いしれる情緒





「で、ここが凛の部屋ね」





ガチャっと開けられた扉の先は


それなりに物が揃っている部屋で。





「え………準備したの、コレ」

「違うよ~ 誰かが泊まりに来た時用の部屋で使ってたんだ」





ホッ、と安心する。



元から私をここに住ませるために準備していたのだとしたら、正直言って怖すぎる。




いや、元から怖いけど。





「足りない物があったら言ってね。ネットでポチポチしてあげるから」

「……いい、自分で買う。」

「凛は働いたお金貯金しなよ。したい事とか、なんかあるでしょ?」

「…………………」





なんで分かってるんだろう。



いや、分かってるのか?


適当に言っただけ?


私何も言ってないのに海外に行きたいなんて思ってる事知っていたとしたら、マジで怖くない?





「他にも使ってない部屋あるから足りなかったら使っていいよ~」





私の部屋だと言って紹介されたそこは私が住んでいた家と同じくらいの広さだった。





一部屋一部屋が全部広い……

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