酔いしれる情緒
「見られたら…!」
「凛となら、いい」
首元に
微かにだけど
ヒヤリ、冷たい感覚がした。
「とゆーか、俺はそれを望んでる」
それが一体なんなのか、
「早くそうなればいいのになって。」
それはスグに気づくことになる。
メガネを少し下にずらした春は
色素の薄いその目を露にさせて
至近距離で、私の瞳を捕らえると
「凛。」
笑みをかたどった薄い唇を開けて
甘い口調で私を呼んだ。
…コイツは何度キスをすれば気が済むのか。
甘い感覚が私の心を揺らし、
その瞳に捕らえられては
私は春の手の内で馬鹿みたいに踊らされる。