酔いしれる情緒
「お腹空いちゃったね~ 今日は何作る?」
「あっ、」
すっかり忘れてた。
スーパーに寄らなければいけないことを。
料理をしないなら冷蔵庫の中は空っぽだと思うし、見てもいないけれど勝手にそう思ってた。
「ねえ、近くにスーパーとかある?」
「スーパー? んー、あったかな~
でもなんで?何か欲しい物でもあるの?」
「家何もないでしょ。肉とか野菜とか魚とか」
「あるよ?」
「えっ」
もしやと思い、冷蔵庫を開けてみれば
「…………ある。」
「ね?俺の家なんでも揃ってるって言ったじゃん」
それにしては揃い過ぎなんだけど…
料理しないくせに、なんで冷蔵庫の中がギッチリなんだ。
「なんでこんないっぱい……」
「あぁ、それ全部貰い物なんだよね。貰ったはいいけど俺料理しないからさ、溜まる一方なんだよ。
でも安心して?最近貰った物ばかりだから腐ってないと思うよ。
肉とか魚は冷凍庫に放り込んでるし。
凍らしたら腐らないって聞いてさ」
「(まあそうだけど……)」
それにしては凄い数。
食材の貰い物って…
コイツ一体どんな仕事してんの?
と。