酔いしれる情緒
「良い恋愛だな、って思った」
「っ!そ、そうですよね!!」
あ…、やばっ
つい私と同じ意見だからってテンションが上がっちゃって……
「へぇ…おねーさん、そうやって笑うんだ」
「っ、」
「やっと見れた。ね、もう一回見せて?」
「っ…嫌です、てか私用事あるんで離してください」
「もう一回見せてくれたら離してあげる~」
うざい……
ギュッと掴まれている手は離してくれる様子なんてないし
少し強いその力は振り解くことなんてできないし。
「てかさ。今はお客さんと店員さんじゃないんだから、敬語やめたら?」
「離せ。」
「わぁ~飲み込み早いね~」
怖い怖い、とすんなり手を離してくれた。
「ねね、おねーさんこの辺に住んでるの?」
「…………………」
「俺もこの辺なんだよね~ほんと偶然」
「(……聞いてないわ)」
スタスタと歩くと、その隣についてくる。
永遠と一人で喋ってるけど、
こいつメンタル強すぎじゃない?