酔いしれる情緒
「もう寝るっ…」
バレている事に恥ずかしくなって逃げるようにして立ち上がれば、
「っ、」
ズキン、と。
背中に軽く痛みが走った。
そういえば、背中痛めてたっけ……
「凛?」
立ち上がった私が再びソファーに腰を下ろすと、春はそんな私に怪訝に思ったみたいで
「腰、痛いの?」
無意識に手で腰を押さえていたから、その事に気づいたらしい。
「やっ、大丈夫、だから」
「大丈夫じゃないでしょ。どこ痛い?」
「…………ここ、」
意外にもその言葉に甘えてしまう私。
「今日、重たいの持った?」
「……うん、品出ししてたから…」
「そっか。待ってて、湿布持ってくるから」
彼は私のそばから離れると、どこからか湿布を持ってきた。
「服、捲れる?」
「自分で貼る」
「背中は自分で貼れないよ。貼れたとしても綺麗に貼れないから、貼らせて。」
「………………」
仕方がなく服を捲り上げ、春に背中を露にした。
少し恥ずかしい気分になったけど、これは湿布を貼ってもらうだけなんだから……