俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜最悪で最高の休日〜お礼SS
「実は新しい仕事を初めてね、小説の表紙とか挿絵なんだけど今回オメガバースの話だからこう首に噛みそうで噛まない所を描きたいのである」

 ランランと光る眼光で俺の広志さんを凝視しながら凄い速さで右手が動いている。さすがプロだ。

「お、お、お、オメガバーーーーーースッ」

「な、なんだ!? 美桜!?」

 雪崩のように崩れ座る美桜の元へ駆け寄ろうと広志さんから腕を離した途端銃弾のように鋭い「動くでない!」と姫咲からの攻撃を受けて身体が動かない。
 恐るべし姉の威力。

「高森亜弥先生の画作でオメガバース……史上最強に素敵なオメガバースになるに決まってる。絶対書います。読む用、観賞用、保管用と三冊買わせて頂きます!」

「同志よ、ありがとう。拙者は素晴らしいオメガバースの絵を書いて見せるでござる」

 いやもう、会話の内容がさっぱり分からない。何で同じ本を三冊も買う必要があるんだ? 姫咲の忍者みたいな話し方はいつ直るんだ?
 俺は最初のワンポーズで無事地獄から奪還したが広志さんのポーズは本当に見ていて可哀想だった。
 ベットの上で丸くうずくまり服やら靴下を大事そうに抱えているポーズ。これは巣篭もりとか言うらしくてオメガ? の特性らしい。てかオメガってなに?
 
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