俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜最悪で最高の休日〜お礼SS
 あんなに朝早くに来たはずなのにアパートを出る時には空は綺麗なオレンジ色に染まりなんだか懐かしい鐘の音が聞こえてくる。家に帰る合図の鐘と共に車に乗り込みマンションまで戻った。


「あ〜疲れた。やっぱり自分の家が一番だな」

 ソファーに座りぐたぁっと脱力している俺の隣にドサッと山積みの本が置かれた。背表紙にオメガとか書いてあるけど、ま、まさか……

「隆ちゃん! この漫画でオメガバースを勉強しようね!」

「お、おう……」

 やっぱりーーー。疲れてるから後にして、とは言えない雰囲気。頬を少し赤く染め、嬉しそうに俺を見つめる美桜の視線にズキュンッと心臓が撃ち抜かれた。

(か、可愛すぎるだろ。断れるはずが無い)

「じゃあ夜ご飯の準備してくるからそれ読んで待っててね」

「お、おう……」
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