彼女がマスクを外さない





「うおっ、あっぶない水かかるところだった」


「いや、ここ1番前だしかかるだろ確実」





そう言えば、しまった…って目で俺を見てくるから
とりあえずタオルを渡す。





「栄ちゃん濡れちゃうじゃん」


「俺はいいから」


「いやいや私もいいよ」


「いいから引っ掛けとけって」





だけどそのタオルを受け取ろうとしないから
無理矢理渡そうとした瞬間。





『それではミィちゃんに大ジャンプをしてもらいましょう!』





その言葉と共に、ミィちゃんという名のイルカが目の前で大ジャンプを見せた。




キラキラと水のせいで輝き、高い所にいるミィちゃんを二人は動きを止めて見ていれば





バッッシャーーーン!!





「あ」


「うそっ」





あっという間に
大量の水が俺たちに降り注いだ。

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