彼女がマスクを外さない






「悪いっ、今日委員会あるから一緒に帰れねぇ」





放課後になると栄ちゃんは忙しいのにもかかわらず
1組までそれを伝えにきてくれた。





「分かった。じゃあ先に帰っとくね」

「あぁ、悪い」





私も委員会入っとけば良かったなぁ




だったら一緒に帰れてたのかも。




…なんて考えてはみたものの
正直言って委員会はめんどくさい





「栄介~?なにしてんの置いてくよ!」





その声に私はハッとした。





「待て待て。じゃあな、恵美」

「あ…うん、ばいばい」





切なげに手を振るが
栄ちゃんはそれに気づかずその子に駆け寄る。




栄ちゃんを呼んだ子って




さっきの子………

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