彼女がマスクを外さない





ギャーギャーと言い合うその二人を見て笑ってしまう自分もいるけれど




どこか取り残されている感じがして
仕方がない。





「栄ちゃん、あの子と仲良いね」





帰り道、いつものように私と栄ちゃんは手を繋ぐ。





「あぁ、美羽?」





美羽。
あの子の名前は美羽って名前らしい。


可愛い名前…





「あいつとは、同中だったから」

「だから仲良いんだ」





すると栄ちゃんは少し気まずそうに
斜め下辺りに目線が動く





その動きに

少し、勘ずいた。






「あー…。…元カノ、でもある。」

「…………」






ほらね、そうだと思ってた。






不思議と傷ついていない私。

女の勘ってやつだ。

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